SEOキーワード選定の教科書:順位を上げる選び方と配置ルール完全ガイド
SEOキーワードとは?検索順位を左右する重要性
SEOに取り組む中で、「良い記事を書いているはずなのに、なぜか検索順位が上がらない」と悩むことはありませんか?その原因の多くは、適切なキーワード選定ができていないことにあります。キーワードはユーザーとWebサイトをつなぐ唯一の接点であり、ここを間違えるとどんなに素晴らしいコンテンツも誰にも届きません。ここではSEOキーワードの基礎知識とその重要性について解説します。
なぜキーワード選定がSEOで最も重要なのか
検索エンジンであるGoogleのアルゴリズムは、ユーザーが入力した「検索クエリ(キーワード)」と、Webページ内のコンテンツがどれだけ関連しているかを分析して順位を決定します。つまり、ターゲットとなるキーワードが適切に選定・配置されていないページは、検索エンジンにとって「何について書かれたページなのか」が理解できず、評価の対象にすらならないのです。キーワード選定は単なる単語選びではなく、サイト設計の根幹をなす設計図と言えます。
また、間違ったキーワードを選んでしまうと、集客できたとしてもコンバージョン(成果)に結びつかないという事態に陥ります。例えば、商品を売りたいのに「意味」や「とは」といった学習目的のキーワードばかりで集客しても、売上にはつながりにくいでしょう。ビジネスのゴールに直結するユーザーを集めるためにも、戦略的なキーワード選定はSEOの最初にして最大の重要工程なのです。
ビッグワード・ミドルワード・ロングテールキーワードの違いと特徴
SEOキーワードは、検索ボリューム(月間の検索回数)の多さと競合性によって、大きく3つのタイプに分類されます。それぞれの特徴を理解し、サイトの成長フェーズに合わせて狙うキーワードを使い分けることが成功への近道です。立ち上げ直後のサイトがいきなりビッグワードを狙っても、ドメインパワーの強い競合サイトに勝つことは難しいため、まずはロングテールキーワードから攻略するのが定石となります。 以下の表は、それぞれのキーワードタイプの特徴をまとめたものです。これらをバランスよく組み合わせる戦略が求められます。
種類 | 検索数 | 競合性 | CV率 | 具体例 |
ビッグワード | 多い | 非常に高い | 低い | 「SEO」「ダイエット」 |
ミドルワード | 普通 | 普通 | 普通 | 「SEO キーワード」「ダイエット 食事」 |
ロングテール | 少ない | 低い | 高い | 「SEO キーワード 入れ方」「ダイエット 食事 コンビニ」 |
【本質】検索意図(インサイト)の4つの分類と対策
ユーザーが検索窓に言葉を打ち込むとき、その背後には必ず「何かを解決したい」という意図があります。これを「検索意図(インサイト)」と呼びます。Googleは近年、単語の一致だけでなく、この検索意図をどれだけ満たしているかを重視しています。キーワードを表面的に捉えるのではなく、ユーザーの心の奥にあるニーズを理解することが不可欠です。ここでは、検索クエリの4つの分類とその対策について解説します。
Knowクエリ(知りたい):情報提供型コンテンツの作り方
Knowクエリは、「言葉の意味を知りたい」「仕組みを理解したい」といった、知識や情報を求めているユーザーが使用するキーワードです。検索ボリュームが大きく、多くのユーザーを集客できる可能性がありますが、直近での購買意欲はそれほど高くない傾向にあります。代表的なキーワードには「〜とは」「〜 意味」「〜 理由」などが含まれます。 このクエリに対するコンテンツ制作では、以下のポイントを意識してください。
網羅性:ユーザーの疑問に漏れなく答えること。
客観性:辞書的な定義や、信頼できるデータに基づく解説を行うこと。
図解の活用:難しい概念をイラストや表でわかりやすく説明すること。
まずは「答え」を端的に提示し、その後に詳細な解説を加える構成にすると、ユーザーの満足度を高めることができます。
Doクエリ(したい):方法・手順解説型コンテンツの作り方
Doクエリは、「何かを始めたい」「問題を解決する方法を知りたい」といった、具体的なアクションを起こそうとしているユーザーの検索です。「〜 方法」「〜 やり方」「〜 手順」「〜 使い方」などが該当します。この層のユーザーは行動意欲が高いため、将来的な顧客になり得る重要なターゲットです。 Doクエリへの対策としては、ユーザーが迷わずに実行できる「手順書」のようなコンテンツが求められます。
ステップ形式(STEP1、STEP2...)で順を追って解説する。
実際の作業画面のキャプチャや、作業風景の動画・写真を豊富に使う。
失敗しやすいポイントや注意点をあらかじめ提示する。
読んだ後に「自分でもできそうだ」と思わせ、実際に行動に移せるような具体的かつ親切な記事作成を心がけましょう。
Goクエリ(行きたい):ナビゲーション・地域情報への対策
Goクエリは、特定のウェブサイトや物理的な場所へ移動したいという意図を持つ検索です。「Amazon」「Facebook ログイン」などの指名検索や、「近くのカフェ」「東京駅 ランチ」などの場所に関連する検索が含まれます。特に実店舗を持つビジネス(飲食店、美容室、クリニックなど)にとっては、集客の生命線となる極めて重要なクエリです。 このクエリに対しては、SEOだけでなくMEO(Map Engine Optimization)対策も同時に行う必要があります。
Googleビジネスプロフィールの充実:住所、営業時間、写真を正確に登録する。
構造化データの実装:検索エンジンに場所や店舗情報を正しく伝える。
地域名の最適化:記事タイトルや見出しに「地名」を含める。
ユーザーは「今すぐ行きたい」と考えているケースが多いため、スマホでの閲覧しやすさや、地図へのリンク設定なども重要な要素となります。
Buyクエリ(買いたい):比較・成約記事への誘導設計
Buyクエリは、「商品を購入したい」「サービスに申し込みたい」という明確な購買意欲を持っているユーザーの検索です。「〜 購入」「〜 おすすめ」「〜 比較」「〜 最安値」などがこれに当たります。検索ボリュームは少なくなりがちですが、コンバージョン率(成約率)が最も高いため、売上に直結する「お宝キーワード」とも言えます。
Buyクエリで上位表示を狙う記事では、ユーザーの「失敗したくない」という不安を取り除くことが鍵となります。
比較表の提示:
価格、機能、メリット・デメリットを一目でわかるようにする。
口コミ・評判の掲載:
第三者の意見を載せて信頼性を高める。
ベネフィットの訴求:
スペックだけでなく、それを使うとどうなれるかを伝える。
また、CTA(申込みボタン)を目立つ位置に配置し、スムーズに購入ページへ誘導する動線設計も欠かせません。
失敗しないSEOキーワード選定の具体的な5ステップ
キーワード選定は感覚で行うものではなく、論理的なプロセスに基づいて行う作業です。やみくもに記事を書き始める前に、しっかりと調査・分析を行うことで、SEOの成功確率は飛躍的に高まります。プロのマーケターも実践している、失敗しないキーワード選定の具体的な手順を紹介します。ここでは、5つのステップに沿って解説します。📸 画像配置: STEP1からSTEP5までのフローチャート図
STEP1:軸となる「メインキーワード」を洗い出す
まずは、自社のビジネスやWebサイトのテーマとなる「軸キーワード」を決めます。これは、ユーザーがあなたの商品やサービスを探すときに、一番最初に入力するであろう単語のことです。例えば、英会話スクールを運営しているなら「英会話」「英語学習」、転職エージェントなら「転職」「求人」などが軸キーワードになります。 この段階ではツールを使わず、以下の視点からブレインストーミングを行いましょう。
自社の商品・サービス名は何か?
ターゲットとなる顧客はどんな悩みを抱えているか?
競合他社はどんなキーワードを使っているか?
思いつく限りリストアップし、サイトの核となるテーマを明確にすることがスタートラインです。ここがブレると、サイト全体の方向性が定まらなくなります。
STEP2:サジェスト・関連語でキーワード候補を拡張する
軸キーワードが決まったら、次はそれを基にキーワードの候補を広げていきます。ユーザーは軸キーワード単体で検索するだけでなく、複数の単語を組み合わせた「複合キーワード」で検索することが多いからです。ここで役立つのが、Google検索の入力補助機能である「サジェスト(予測変換)」や「関連キーワード」です。
例えば「ダイエット」という軸キーワードなら、「ダイエット 食事」「ダイエット 運動」「ダイエット サプリ」などがサジェストとして表示されます。これらは実際に多くのユーザーが検索しているニーズの塊です。キーワード取得ツール(後述のラッコキーワードなど)を使用すれば、数百〜数千の関連キーワードを一瞬で取得できます。この段階では選り好みせず、可能な限り多くの候補を集めることが重要です。
STEP3:検索ボリュームと競合性を調査してフィルタリングする
大量に集めたキーワード候補の中には、需要がほとんどないものや、逆に競合が強すぎて勝てないものが含まれています。そこで、ツールを使ってそれぞれのキーワードの「検索ボリューム」と「競合性」を調査し、現実的に狙えるキーワードに絞り込みます。 フィルタリングの基準は以下の通りです。
検索ボリューム:月間検索数がゼロ、または極端に少ないものは除外する(ただしCVに近いものは残す)。
競合性:上位1ページ目が「公的機関」「大手企業」「Amazon/楽天」ばかりで埋まっているキーワードは、個人のブログや中小企業のサイトでは勝ち目が薄いため避けるのが無難です。
この工程を経ることで、効率よくトラフィックを獲得できる「勝てるキーワード」が見えてきます。
STEP4:検索意図のズレがないか確認しグルーピングする
似たようなキーワードでも、検索意図が同じであれば、1つの記事にまとめるべきです。逆に、意図が異なるなら別の記事として分ける必要があります。これを「グルーピング」と呼びます。例えば、「SEO キーワード 選び方」と「SEO キーワード 選定」は言葉は違いますが、知りたい内容はほぼ同じなので1つの記事で対策します。
一方、「SEO キーワード」と検索する人は「意味を知りたい(Know)」かもしれませんし、「ツールを探している(Do)」かもしれません。実際に検索結果を見て、上位表示されているページの内容を確認しましょう。同じようなページが並んでいれば同じグループ、全く違う内容なら別グループです。これにより、カニバリゼーション(記事同士の競合)を防ぎ、整理されたサイト構造を作ることができます。
STEP5:優先順位(CVへの近さ・上位表示の可能性)を決定する
最後に、グルーピングしたキーワードの中から、どの記事から書いていくかの優先順位を決めます。すべての記事を同時に書くことは不可能ですので、ビジネスへのインパクトが大きい順に着手するのが鉄則です。 優先順位の決め方は「コンバージョン(CV)への近さ」と「上位表示の難易度」のマトリクスで考えます。
最優先:CVに近く、競合が比較的弱いロングテールキーワード(例:「商品名 評判」「地域名 サービス名」)。
次点:アクセスを集めやすく、サイトの専門性を高めるKnowクエリ。
後回し:競合が強すぎるビッグワードや、CVから遠いキーワード。
まずは小さな成功を積み重ねてドメインパワーを育て、徐々に難易度の高いキーワードに挑戦していくスケジュールを組みましょう。
SEOキーワード選定に必須のおすすめ無料・有料ツール
正確なデータに基づかないキーワード選定は、地図を持たずに航海に出るようなものです。効率的かつ精度の高い選定を行うためには、専用のツール活用が欠かせません。ここでは、プロのSEO担当者も愛用している、必須の無料・有料ツールを4つ厳選して紹介します。ここでは各ツールの特徴と活用法について解説します。
ラッコキーワード:サジェスト網羅と競合分析の定番
日本国内で記事作成を行うなら、まず外せないのが「ラッコキーワード」です。基本機能は無料で利用でき、軸キーワードを入力するだけで、Google、Bing、YouTubeなどのサジェストキーワードを一括で取得できます。キーワード選定の初期段階(STEP2)で候補を洗い出すのに最適なツールです。
さらに有料プランでは、月間検索ボリュームの取得や、競合サイトの流入キーワード分析なども可能になります。また、「見出し抽出」機能を使えば、上位表示されている競合サイトがどのような構成で記事を書いているかを一覧で確認できるため、構成案を作る際にも非常に重宝します。初心者から上級者まで、幅広くおすすめできる万能ツールです。
Googleキーワードプランナー:正確な検索ボリュームの把握
Google広告の配信ツールの一部ですが、SEOのキーワード調査にも利用できるのが「Googleキーワードプランナー」です。Google公式のデータであるため、検索ボリュームの数値における信頼性が最も高いのが特徴です。広告を出稿していない無料版のアカウントでは数値が「100〜1000」のように概算で表示されますが、傾向を掴むには十分役立ちます。
特に「新しいキーワードを見つける」機能では、関連性の高いキーワードをGoogleが提案してくれるため、自分では思いつかなかったキーワードを発見できることもあります。また、季節による検索数の推移も確認できるため、需要が高まる時期に合わせて記事を公開する戦略も立てやすくなります。
Ahrefs(エイチレフス)/Semrush:競合サイトの流入キーワード分析
より本格的にSEOに取り組むなら、有料の海外製ツールである「Ahrefs」や「Semrush」の導入を検討すべきです。これらは「競合分析」において最強の力を発揮します。競合サイトのURLを入力するだけで、そのサイトが「どのキーワードで」「何位にランクインしていて」「どれくらいのアクセスを集めているか」が丸裸になります。
「競合が獲得しているが、自社サイトでは対策していないキーワード」を見つけ出し、そのギャップを埋めるコンテンツを作ることで、確実にトラフィックを伸ばすことができます。月額料金は高めですが、競合に勝つための戦略を練る上で、投資対効果は非常に高いツールと言えます。
Googleトレンド:季節要因と需要の推移を確認
「Googleトレンド」は、特定のキーワードの人気度が時間の経過とともにどう変化しているかをグラフで確認できる無料ツールです。検索ボリュームの絶対数ではなく、相対的なトレンド(流行り廃り)を把握するのに適しています。「今、世の中で何が話題になっているか」をリアルタイムで知ることができます。
例えば、「花火大会」や「確定申告」のように季節性が強いキーワードの場合、検索需要がピークになる数ヶ月前から記事を仕込んでおく必要があります。Googleトレンドを使えば、過去のデータから需要が上昇し始めるタイミングを予測できるため、計画的なコンテンツ制作が可能になります。急上昇ワードをチェックして、バズを狙う際にも有効です。
選定したキーワードの正しい入れ方と配置場所(内部対策)
キーワードを選定しただけでは順位は上がりません。それを記事の中に「適切に」配置し、検索エンジンに「この記事はこのキーワードについて書いています」と正しく伝える必要があります。これを内部対策と呼びます。ただし、詰め込みすぎは逆効果です。ここでは、SEO効果を最大化するための正しいキーワードの配置場所とルールについて解説します。
タイトルタグ(title):クリック率を高める左寄せの法則
タイトルタグは、検索結果の画面に一番大きく表示される部分であり、SEOにおいて最も重要な要素の一つです。検索エンジンはタイトルの冒頭(左側)にある言葉ほど重要度が高いと判断する傾向があります。また、スマホの検索結果では文字数が限られており、後半部分は省略されてしまうことがあります。
そのため、狙っているメインキーワードは必ず「タイトルの前半(左側)」に配置しましょう。例えば「SEO キーワード」を狙うなら、「SEOキーワードの選び方とは?初心者向けガイド」のようにします。さらに、ユーザーが思わずクリックしたくなるような魅力的な文言(「完全版」「5分でわかる」など)を組み合わせることで、クリック率(CTR)の向上も期待できます。
見出しタグ(h1〜h6):階層構造とキーワード配置のルール
見出しタグ(h1、h2、h3...)は、本の「章」や「節」にあたるもので、記事の構造を検索エンジンに伝える役割があります。特にh1タグ(大見出し・記事タイトル)には必ず対策キーワードを含めてください。h2(中見出し)にも、不自然にならない範囲でキーワードや、関連するサジェストキーワードを盛り込むことが推奨されます。
重要なのは階層構造を守ることです。h1の中にh2があり、h2の中にh3があるという順序(入れ子構造)を崩さないでください。h2の次にいきなりh4を使ったり、デザインのためだけに見出しタグを使ったりするのはNGです。論理的で正しい階層構造の中に自然にキーワードを配置することで、Googleは記事の内容を正確に理解できるようになります。
メタディスクリプション:検索結果でのスニペット最適化
メタディスクリプションは、検索結果のタイトルの下に表示される100文字〜120文字程度の説明文です。直接的な検索順位への影響は小さいと言われていますが、検索ユーザーが記事を読むかどうかを判断する重要な材料になります。キーワードが含まれていると、検索結果上でその部分が太字で表示されるため、ユーザーの目に留まりやすくなります。
前半部分に対策キーワードを含めつつ、記事の要約と「読むメリット」を簡潔に記述しましょう。「この記事を読めば何が解決するのか」を具体的に書くことで、クリック率を高めることができます。設定しないとGoogleが本文から勝手に抜粋して表示してしまいますが、意図しない文章になることも多いため、自分で設定することをおすすめします。
本文・共起語:自然な文脈での盛り込み方と網羅性
本文中にキーワードを含めることは当然ですが、かつてのように「キーワード出現率を5%にする」といった機械的な調整は不要です。むしろ、文脈を無視したキーワードの連呼はスパムと判定されるリスクがあります。ユーザーにとって読みやすい、自然な文章の流れの中でキーワードを使用してください。
また、メインキーワードだけでなく「共起語(きょうきご)」を含めることも重要です。共起語とは、あるキーワードと一緒に頻繁に使われる言葉のことです(例:「SEO」なら「Google」「順位」「コンテンツ」など)。共起語が自然に含まれている文章は、トピックの網羅性が高く、専門的な内容であると検索エンジンに評価されやすくなります。
画像(alt属性):検索エンジンに画像の意味を伝える設定
検索エンジンは画像の中身を人間のように視覚的に理解することはできません。その代わり、「alt属性(代替テキスト)」という設定を読み取って画像の内容を判断しています。そのため、記事内に画像を配置する際は、alt属性にその画像の説明文を設定し、可能であればキーワードを含めることが推奨されます。
例えば、キーワード選定のフローチャート画像であれば、`alt="SEOキーワード選定の5つの手順を示すフローチャート"`のように設定します。これにより、通常の検索だけでなく「画像検索」からの流入も見込めるようになります。ただし、装飾目的の画像にまで無理にキーワードを入れる必要はありません。あくまで画像の意味を正しく伝えることが目的です。
公開後の順位計測とキーワードのメンテナンス(リライト)
記事は「公開して終わり」ではありません。むしろ、公開してからが本当のSEOの始まりです。狙ったキーワードで順位がついているか、ユーザーの反応はどうかを確認し、改善を繰り返すことでしか上位表示は維持できません。ここでは、公開後のモニタリング方法と、順位を上げるためのメンテナンス(リライト)術について解説します。
検索順位チェックツールでのモニタリング方法
まずは、狙ったキーワードで現在何位にいるのかを毎日定点観測する必要があります。これを手動で行うのは手間がかかるため、「GRC」や「Nobilista(ノビリスタ)」などの順位チェックツールの導入を強くおすすめします。これらのツールを使えば、登録したキーワードの順位推移をグラフで可視化できます。
公開後、3ヶ月程度経過しても順位が50位圏外であれば、そもそもインデックスされていないか、キーワードの難易度が高すぎる可能性があります。逆に、20位〜30位程度にいる場合は、Googleから一定の評価を得ていますが、上位サイトに比べて情報量が不足している可能性があります。この順位データを基に、次にリライトすべき記事を選定します。
Googleサーチコンソールを使った「ずらしキーワード」の発見
Googleサーチコンソールを使うと、実際にユーザーが「どんなキーワードで検索して記事にたどり着いたか(クエリ)」を知ることができます。このデータを見ると、当初狙っていたキーワードとは微妙に異なる、予想外のキーワード(ずらしキーワード)で流入していることがあります。 例えば、「SEO キーワード 選び方」で書いた記事が、「ブログ ネタ 探し方」でも表示されている場合などです。この場合、記事の中に「ブログネタの探し方」に関する見出しを追加したり、タイトルを微調整したりすることで、その新しいキーワードでの順位も上がり、さらなるアクセスアップが期待できます。ユーザーの実際の検索行動に合わせ、記事を微調整していくのがリライトのコツです。
カニバリゼーション(共食い)が起きた時の対処法
サイト内の記事数が増えてくると、異なる記事が同じキーワードで評価され、互いに順位を下げ合ってしまう現象が起きることがあります。これを「カニバリゼーション(共食い)」と言います。サーチコンソールで特定のキーワードを確認した際、評価されているURLが頻繁に入れ替わっている場合は要注意です。 カニバリゼーションが起きた場合の対処法は主に2つです。
記事の統合:
内容が重複している場合は、評価の高い方の記事に内容をまとめ、もう一方の記事から301リダイレクトを設定します。
キーワードの棲み分け:
それぞれの記事のテーマを明確にし、狙うキーワードをずらします(例:「意味」の記事と「使い方」の記事に明確に分けるなど)。
サイト内の交通整理を行い、Googleに対して「このキーワードについては、この記事を見てください」と明確に示すことが重要です。
よくある質問
SEOキーワード選定に関して、初心者の方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。迷った際の参考にしてください。
SEOキーワードは1記事(1ページ)にいくつ設定すべきですか?
基本的には「1記事1キーワード(1つの検索意図)」が原則です。これは、複数のテーマを1つの記事に詰め込むと、何について書かれたページなのかが検索エンジンに伝わりにくくなり、評価が分散してしまうためです。ただし、メインキーワードに関連する「サジェストキーワード」や「共起語」は、同じ検索意図(ユーザーの知りたいこと)に含まれる範囲であれば、見出しや本文に複数含めても問題ありません。重要なのは数ではなく、「1つのユーザーの悩みを解決すること」に集中することです。
キーワードの出現率(含有率)は何パーセントが最適ですか?
現在、キーワードの出現率に明確な「正解」や「最適なパーセンテージ」は存在しません。かつては「5%程度が良い」と言われた時期もありましたが、今のGoogleのアルゴリズムは文脈や意味を理解する能力が高いため、無理に回数を調整する必要はありません。むしろ、出現率を気にして不自然な文章になるほうがマイナス評価になります。ユーザーにとって読みやすく、自然な文章を書くことを最優先し、その結果としてキーワードが含まれている状態が理想的です。
検索ボリュームが少ない(ゼロに近い)キーワードは狙うべきですか?
はい、狙うべきケースがあります。特に立ち上げ初期のサイトや、ニッチな分野を扱っている場合は、検索ボリュームが月間10〜50回程度の「ロングテールキーワード」を積極的に狙うのが有効です。検索数が少なくても、そのキーワードで検索するユーザーは悩みが深く、コンバージョン(商品購入や問い合わせ)につながる確率が高い傾向にあります。また、競合が少ないため上位表示しやすく、小さな成功体験を積み重ねることでサイト全体の評価(ドメインパワー)を高める効果も期待できます。
記事の中にキーワードを詰め込みすぎるとペナルティになりますか?
はい、ペナルティの対象になる可能性があります。「キーワードスタッフィング(詰め込み行為)」と呼ばれ、背景色と同じ文字色でキーワードを隠したり、文脈を無視して同じ単語を羅列したりする行為は、スパムとみなされます。Googleからペナルティを受けると、検索順位が大幅に下落したり、インデックスから削除されたりするリスクがあります。あくまで「ユーザーへの情報伝達のため」に必要な範囲で使用し、過度なSEO対策は控えましょう。
同じキーワードで複数の記事を書いても問題ありませんか?
いいえ、基本的には避けるべきです。同じキーワードを狙った記事が複数存在すると、サイト内で「カニバリゼーション(共食い)」が発生し、検索エンジンがどのページを評価すべきか迷ってしまいます。その結果、どの記事も順位が上がらないという共倒れの状態になりがちです。もし同じテーマで書きたい内容が複数ある場合は、1つの記事に情報を網羅して追記するか、あるいはキーワード(検索意図)を明確にずらして別の記事として作成するように整理しましょう。
まとめ
SEOキーワード選定は、Webサイト集客の成否を分ける最も重要なプロセスです。単に検索数の多い言葉を並べるのではなく、その言葉の裏にある「ユーザーの検索意図」を深く理解し、それに応えるコンテンツを提供することが本質です。
ユーザーの悩み(検索意図)を4つのクエリタイプで理解する
サジェストやツールを活用して、漏れなく候補を洗い出す
競合性とボリュームを見極め、勝てるキーワードから攻める
タイトルや見出しへ適切に配置し、検索エンジンに内容を伝える
公開後も順位を計測し、リライトで記事を育て続ける
最初は難しく感じるかもしれませんが、ツールを使いこなし、ユーザー目線での選定を繰り返すことで、必ず「順位が上がる感覚」を掴めるようになります。まずはこの記事で紹介した5つのステップを実践し、あなたのサイトに最適なキーワードを見つけ出すことから始めてみてください。