記事の「渡し方」を変える
「良い記事を書いたはずなのに、検索順位が上がらない」
「ChatGPTに自社製品のことを聞いても、トンチンカンな答えが返ってくる」
もしそう感じているなら、それは記事の「中身」ではなく、「渡し方」に問題があるかもしれません。
人間は、記事を「見た目(デザイン)」で読みます。
しかし、GoogleのクローラーやLLM(大規模言語モデル)は、記事を「コード(構造)」で読みます。
2025年、AI検索(LLMO)時代において最も重要なのは、「Schema.org(構造化データ)」を使って、AIに記事の内容を誤解なく伝えることです。これは、いわばAIに対する「翻訳」作業です。
本記事では、私たち株式会社フォーティファイヴが日々の制作現場で実践しているノウハウと、そのまま使える「コードテンプレート」および「生成プロンプト」を完全公開します。
1なぜ今「Schema.org」なのか?
(LLMO視点)
これまでの構造化データは、検索結果にリッチスニペット(星マークやQ&Aなど)を出すための「SEOの加点要素」でした。 しかし、生成AI時代において、その役割は「必須インフラ」へと変わりました。
👤 Human視点
「読みやすさ」「納得感」が重要。
🤖 AI視点
「読み取り精度(Machine Readability)」がすべて。
AIは、曖昧な文章を嫌います。Schema.orgを使って「ここは質問」「ここは手順」「ここは結論」とタグ付けすることで、AIは迷わずに情報を抽出し、回答として引用できるようになります。
2目的に合った Schema を選ぶのが第一ステップ
記事を書く前に「何のための記事か」を決めることが最重要です。
| 記事の目的 | 推奨Schema | LLMO効果 |
|---|---|---|
| 手順を説明したい | HowTo | AIが「手順」として認識し、ステップ形式で回答しやすくなる。 |
| 質問に答えたい | FAQPage | ユーザーの悩みに対する「正解」として、Q&Aごと引用されやすくなる。 |
| 商品・サービス紹介 | Product / Review | 価格、在庫、評価を数値データとして正確に伝える。 |
| ニュース・解説 | Article | 記事の著者、発行日、トピックを明確にし、E-E-A-Tを担保する。 |
3初心者はツールを使うのが最速
(WordPress 自動生成ツール一覧)
「コードを書くのは難しそう……」
ご安心ください。WordPressをお使いなら、優秀なプラグインが自動でやってくれます。
無理に手書きする必要はありません。使える道具は使い倒すのがプロの鉄則です。
無料まずはここから
Schema & Structured Data for WP & AMP
特徴: 35種類以上のSchemaに対応。FAQやHowToブロックを入れるだけで自動生成。
向いている人: 記事に自然にQ&Aを入れたい初心者〜中級者。
Rank Math SEO
特徴: 無料でFAQ/HowToに対応。サイト全体の構造化も可能。
向いている人: オールインワンで管理したい人。
有料本気でやるなら
Schema Pro
特徴: 全てのSchemaをGUIで設定可能。複雑な条件分岐もできる。
向いている人: サービスサイトやECなど、細かく制御したい企業。
WordLift
特徴: AIが記事を解析してエンティティ(知識グラフ)を自動生成。
向いている人: LLMO(AI対策)を最優先したい企業。
4【コピペ用】Schema.org 必須テンプレート
「プラグインに頼らず実装したい」「LP(ランディングページ)などのHTMLに直接埋め込みたい」という方のために、エンジニアがいなくても実装できる最低限必要なJSON-LDテンプレートを用意しました。
(※<head>タグ内、または<body>内の任意の場所に貼り付けます)
① 記事の基本セット(Article + Breadcrumb)
「誰が、いつ書いた、何の記事か」を証明します。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Article",
"headline": "記事タイトルを入れる",
"description": "記事の結論と概要を簡潔に。",
"datePublished": "2025-01-01",
"dateModified": "2025-01-10",
"author": {
"@type": "Organization",
"name": "株式会社フォーティファイヴ",
"url": "https://example.com"
}
}
</script>② 質問回答ブロック(FAQPage)
LLMO最強の武器です。記事内のH2/H3見出し(Q&Aセクション)と連動させます。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "FAQPage",
"mainEntity": [
{
"@type": "Question",
"name": "質問1:〇〇とは何ですか?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "回答本文。結論から簡潔に記述します。"
}
}
]
}
</script>③ 手順ブロック(HowTo)
ステップバイステップの手順を構造化します。AIが「手順」として認識しやすくなります。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "HowTo",
"name": "〇〇の手順",
"step": [
{
"@type": "HowToStep",
"name": "ステップ1",
"text": "最初に行う作業の説明"
}
]
}
</script>5【社外秘】ChatGPTで作る
「完全記事生成プロンプト」
「毎回コードを手書きするのは面倒くさい」
その通りです。だからこそ、私たちはAIにAI用のコードを書かせます。
以下は、弊社が実務で使用しているプロンプトの簡易版です。ChatGPTやGeminiに貼り付けてご使用ください。レベルに合わせて2種類用意しました。
基本プロンプト
記事本文と、それに合わせた構造化データをセットで出力させます。「とりあえず構造化してみたい」という方向けです。
あなたはプロのSEOライター兼LLMO(AI検索最適化)ライターです。
以下の条件で記事を作成してください。
■記事テーマ:
[ここにテーマを入れる]
■この記事で回答したい質問:
・[質問1]
・[質問2]
・[質問3]
■出力してほしいもの
1. 結論(BLUF):冒頭で答えを言い切る
2. 本文構成:背景→方法→手順(番号付き)→注意点→まとめ
3. FAQセクション:3〜5問
4. schema.org の構造化データ(JSON-LD形式):Article + FAQPage
■注意点
・専門外の読者にもわかるように説明
・LLMが読み取りやすい簡潔な文章にする精度が爆上がりする「最強プロンプト」
「本文の見出し」と「Schemaの中身」を完全一致させることで、AIからの評価を最大化します。本格的なLLMO対策を行うならこちらが推奨です。
あなたはプロのSEO/LLMOエンジニアです。
「検索エンジンとLLMが理解しやすい構造」と「人間が読みやすい文章」の両立を目的に、以下の条件で記事を制作してください。
-----------------------------------
■記事テーマ:
[テーマ]
■ペルソナ:
[読者像]
■この記事で必ず回答すべき質問(Qセット):
- [Q1]
- [Q2]
- [Q3]
(※この回答を、本文・FAQ・Schemaの全てに一貫して反映させること)
-----------------------------------
■出力フォーマット
### 1. BLUF(結論)
150文字以内で結論を断言する。
### 2. 記事本文(以下のH2構成を厳守)
H2:背景 / なぜ重要か
H2:手順(必ず番号付きリストで記述)
H2:判断基準(プロの視点)
H2:具体例
H2:注意点
H2:まとめ
### 3. FAQ(5問)
本文の内容をQ&A形式で再構成する。
### 4. 構造化データ(JSON-LD)
- Article
- FAQPage
- HowTo(手順がある場合)
※重要:JSON-LD内のテキストは、本文の内容と完全に一致させること。
-----------------------------------
■執筆ルール
・文章は「短く・具体的に」
・抽象論より実務例を優先
-----------------------------------6最後にやるべき「人間とAI」のWチェック
ツールやAIで出力しただけでは、まだ「80点」です。
最後に、私たちフォーティファイヴが行っている「Wチェック」を行ってください。
👀 Humanチェック(可読性)
- 5秒で結論が伝わるか?
- 「てにをは」は自然か?
- 読んでいて「熱量」を感じるか?
💻 AIチェック(機械可読性)
- Q&Aブロックは正しく設定されているか?
- JSON-LDの構文エラーはないか?(Googleリッチリザルトテストで確認)
- HタグとSchemaの内容に矛盾はないか?
この「AIに向けた構造化」と「人間に向けた編集」の両輪が揃って初めて、2025年も生き残る「資産記事」が完成します。
まとめ:面倒な作業こそが、最大の差別化になる
正直、ここまでやるのは面倒です。プラグインを入れても、細かい設定や毎回のチェックは必要になります。
しかし、多くの企業が「とりあえずAIで記事を量産すればいい」と考えている今だからこそ、ここまで徹底的に「構造」と「品質」にこだわった記事は、AIからも人間からも選ばれます。
「理屈はわかったけれど、自社で実装するのは難しそうだ」「既存の記事をリライトして、Schemaを実装したい」
そうお考えなら、ぜひ私たちにご相談ください。私たちはツールベンダーではありません。最新のAI技術を使いこなし、泥臭い実装まで代行する「制作パートナー」です。